Cisco機器の概要と設定
ここまで、NWについて学んできました。
実際のNWの仕事で誰でも一度は触るNW機器が”シスコ社”の製品です。
この章ではシスコ社の「L2スイッチ」の操作について説明していきます。
1, Cisco社L2スイッチの起動
①L2スイッチの起動
L2スイッチには電源ボタンがありません。
電源ケーブルを差すと自動的に電源が入ります。
電源が入ったらPCとL2スイッチを「ロールオーバーケーブ」でつなぎます。
スイッチの「コンソールポート」に差し込みましょう。
スイッチの準備が出来たら、次の手順。
②Tera Termの起動
TeraTermが立ちあがったら「シリアルポート」のチェックボックスにチェックを入れOKを押しましょう。
上記のような画面が出てきたら[no]と入力しましょう。
Switch>
上記のような表示をプロンプトと呼びます。プロンプのうち「Switch」はこの機器のホスト名を表しており、右の「>」記号はモードを表します。
これで起動は完了です。
では次に実際に設定してみましょう。
2, モード移行
スイッチが起動出来たら、早速操作していきましょう。
スイッチの設定等を行う際には、モード移行をする必要があります。
①ユーザーモード
まず最初、ログインした時点であなたはユーザーモードに入っています。
下図のように
Switch>
と表示されるとユーザーモードです。
「Switch」はユーザー名ですので、あまり気にしなくていいですが、
「>」はユーザーモードを表すプロンプトと呼ばれる記号の為、覚えておきましょう。
ユーザーモードでは基本的に何もできないのでモード移行しましょう。
②特権モード
ではユーザーモードから特権モードに移行してみましょう。
enable
と打ち込んでみましょう。
如何でしょう?
Switch>
から
Switch#
に変わりました。
この「#」は特権モードにいることを指します。
特権モードは設定の確認等ができるモードです。
また他のモードに移行する際にも必ず通過するモードです。
「enable」くらいは暗記してしまいましょう。
ちなみに・・・
「enable」を省略した「en」でも移行できてしまいます。
覚えておいて損はないですよ!!
③グローバルコンフィギュレーションモード
それでは次は実際にスイッチの設定ができるグローバルコンフィグレーションモードに移行してみましょう。
グローバルコンフィグレーションモードは特権モードからしか移行できませんのでご注意を。
特権モードで
configure terminal
と打ち込んでみましょう。
上図のように
Switch#
から
Switch(config)#
に変わりました。
これでようやくスイッチの設定が行えるようになりました。
試しにホスト名を変えてみましょう。
hostname ホスト名
でホスト名が「Switch」から「Lysis」に変わることが確認できますね。
スイッチの設定が出来てしまいましたね。
ちなみに・・・
グローバルコンフィギュレーションモードに移行する「configure terminal」が覚えられない場合、「conf t」でも移行できちゃうのでご参考に。。
④各種コンフィギュレーションモード
それでは最後にグローバルコンフィギュレーションモードの先の各種モードに移行してみましょう。
ここではインターフェースコンフィギュレーションモードに移行してみます。やり方はどのモードも一緒です。
グローバルコンフィギュレーションモードで
interface インターフェース名
を入力することで
Lysis(config-if)#
上記プロンプトになり、インターフェースコンフィギュレーションモードに移行できました。
⑤各モードから抜ける方法
いろんなモードへの入り方は複雑ですが、抜け方は簡単です。
exit
これだけです。
上図のように各モードを1つずつ抜けていますね。
これだけです。簡単でしたね!以上です。
■各モード移行まとめ■
3, スイッチの設定
では、実際にスイッチの設定を行ってみましょう。
E-Lerningでは
・特権パスワード
を設定してみましょう。
特権パスワードの設定
特権パスワードとは特権モードに入る際のパスワードのことです。
グローバルコンフィギュレーションモードで
enable password パスワード
と入力すると特権パスワードが設定できます。
実際にやってみましょう。ここではパスワードを「!Lysis」としてみます。
はい。設定できました。確認の為、ユーザーモードまで戻って特権モードにログインし直してみましょう。
パスワードが聞かれるようになっていますね。先程設定したパスワードを入力してみましょう。
無事ログイン出来ました。これで特権パスワードを設定できたことがわかりました。やってみると意外と簡単ですよね。
スイッチの設定項目はパスワード以外にもたくさんありますが、要領は大体同じです。各コンフィギュレーションモードに入ってコマンドを叩き設定値を入力する。これだけです。下記のサイトに他の設定コマンド等も記載されているので見ておいてください。
http://beginners-network.com/cisco-catalyst-command/
4, スイッチの設定の確認
次は設定の確認です。簡単です。
特権モードで
show running-config
これで終わりです。
先程設定した
・ホストネーム
・パスワード
が設定されていますね。
◆ログの取り方◆
設定を確認する際、基本的にはログを取る必要があります。
何故なら、設定前と設定後の差分を残しておく必要がある為です。設定間違いでスイッチの通信が途絶えてしまった場合、このログだけが手掛かりになってしまうかもしれません。そんな大事なログの取り方です。
①Tera Term の[ファイル]から[ログ]を押す。
②「ファイル名」「ファイル保存場所」を指定し、[保存]を押す。
③Teratermに特権モードで[ter len 0]と入力後、
[show running-config]と入力
④TeraTermのログウィンドウの[閉じる]を押す。
以上でログは取れています。
ログファイルを見ると貴方の操作が全て記録として残っていますね。
ログ記録はついつい忘れがちですが、スイッチやルーターの設定中は誰に指示されなくても常にログを取っておくようにしましょう。
4, スイッチの設定の保存
最後に設定の保存のやり方をお教えします。
スイッチの設定は「設定保存」のコマンドを叩かないと、電源OFF時に全てが初期化されてしまいます。
copy running-config startup-config
これで終わりです。
これで設定は保存されました。
安心して電源を切って下さい。
いかがでしたでしょうか??
以上でNW基礎講座は全て終了です。
スイッチについても一番初歩的な操作方法には触れましたが、実際の現場ではもっと難しいことがたくさんあると思います。そのたびにこのE-Lerningサイトを覗いたり、先輩社員に相談してみましょう。
きっと助けになってくれます。